元気会 2002年登山報告

2002年、元気会は7回山に登りました。偶数月の初旬に計画することが多く、ここ数年定着しています。この年は9月にもう一回加わりました。天候にはそこそこ恵まれましたが、一年でもっとも大きい計画である夏山(鳥海山・月山)で雨に降られ大変な苦労をしました。歩行時間は夏山以外は大体4時間が平均。それより多いことも少ないこともあります。下山後は近頃はやりの立ち寄り温泉に当たりをつけておき、汗を流したあとその日の山を振り返りながらビールで乾杯! その味は格別です。簡単に2002年一年間の山登りについて報告します。
 
210日(日)伊豆半島 三筋山(822m) 曇りのち雨
この山は普通、東伊豆の稲取または今井浜から登りますが、今回は三島から伊豆長岡鉄道で修善寺へ、タクシーを使って天城山の八丁池口から入山することにしました。歩き始め                             の高度がかなり高くなり、天城三筋山遊歩道という、草山の上の長閑なトレイル(写真参照)を歩くことができるからです。年に一度の大室山の山焼きの日に当たり天城山の向こうに白い煙の立ち上るのが遠望され、山頂付近にはパラグライダーを楽しむ人たちが空を浮遊していました。今井浜への下山路では雪混じりの雨に降られましたが、河津桜が満開、梅が咲き、菜の花が咲き、柑橘の実る美しい山里を飽きることなく歩きました。参加者14名。
(写真は三筋山と河津桜)

48日(月)甲府盆地南端 春日山(1325m)晴れ
石和温泉からタクシーに乗って鳥坂峠まで。峠から西北へ導かれるように尾根筋を辿ります。小さなピークを幾つかアップダウンしますが、はっきりした歩きやすい道です。春日山というのは幾つかのピークの総称で山頂についても諸説あるようです。山稜からは真っ白に雪を被った南アルプスや殆ど雪のない八ヶ岳、秩父連山が思いのほか近く見えます。登山者に会うことはなく、タラの芽取りの里人に出会いました。大窪鶯宿林道から中芦川まで歩き、タクシーを待つ間にその村で新しい農業を目指すという若者たちから畑で取れたばかりの野菜をもらいました。再び石和温泉へ。参加者13名。
 
6月10日(月)上越 水沢山から二ツ岳(1343m)晴れ
ごく近くに榛名山と伊香保温泉のあるこの山は素晴らしい展望に恵まれています。上越線の渋川からタクシーで水沢寺まで。4万年前の噴火で降り積もったという軽石の道を過ぎ、樹林を急登して12体の石仏が並ぶ見晴らしのいい尾根へ出ると間もなく水沢山の山頂で、赤木山、妙義山、浅間山、上越の山々、関東平野など広大な風景が遠望できます。二ツ山の雌山からは水沢山が、雄山からは相馬山や裏側の榛名富士が間近に見え、この三つの山は眺望がまるで違うという魅力があります。登山者にはほとんど会わない静かな山でした。伊香保温泉の石段の湯で汗を流し、再び渋川へ出て帰りました。参加者12名。
 
8月4日(日)〜6日(火)東北 鳥海山(2236m)・月山(1884m) 雨
8月4日(日)
東京を羽越本線で8:24に出発して酒田でお昼を食べた頃から激しい雨が降り始めました。酒田から乗った「いなほ5号」が線路の冠水などでノロノロ運転、羽後本荘到着は2時間遅れです。羽後本荘から由利高原鉄道で終点矢島まで、さらにタクシーで湯ノ沢温泉の鳥海荘に到着したのは午後7時を回っていました。鳥海山の参加者は10名です。
85日(月)
朝は晴れていました。鳥海山のテッペンには雲がありましたが、美しい青空です。天気予報は芳しくないのですが、ともかく出発しました。1時間半ほど歩いた七つ釜という滝のあたりで降り始めましたが、時折薄日も差すので雨具をつけて歩いているうちに本降りとなりました。頂上に近づくほどに激しい風も出て、遮るもののない尾根筋を仲間を見失わぬよう、風に飛ばされぬよう、声を掛け合って登り、何も見えない山頂(写真)にたどり着きました。寒さに震えながら山頂小屋でお昼を食べ、長い下山路を必死で鉾立まで下りました。でも、雨風の中に咲き揃った高山植物の花々はちょうど最盛期を迎えており、それは美しかったです。鉾立から一奮発してタクシーで鶴岡の湯田川温泉まで。鷺見屋旅館で月山の参加者6名と合流。
86日(火)
雨こそ降っていませんでしたが曇り空で、目指す月山は裾野の一部しか見えません。宿の
送迎車とバスを乗り継いで八合目まで。雨です。風もかなり強く、登山は断念しました。その中を信仰登山の人たちがめげずに登って行ったのには驚きました。八合目には美しい湿原があると聞き、散策することに。約1時間、ニッコウキスゲやハクサンチドリ、コウホネなど、霧雨のなかで幻想的に咲いている花々を楽しんで、残念ながら再びバスで鶴岡へ戻りました。宿の好意で山形駅へ送ってもらい、花笠踊りの行列に出会いました。
 
9月19日(木) 杖突峠から守屋山(1650m) 晴れ
夏山で月山のみ参加の人たちが湿原の散策だけで終わってしまったのはお気の毒、ということで計画されました。茅野駅からタクシーで杖突峠まで。ここがすでに標高が高いので緩やかな登りを2時間ほどで頂上に達することが出来ます。山頂は東峰と西峰があり、それぞれにあっと驚く好展望が得られます。南北中央の三アルプス、八ヶ岳、霧ヶ峰、美ヶ原、眼下には諏訪湖まで。少し秋めいてきた尾根には吾亦紅が色づき始め、薄の穂が顔をのぞかせていました。片倉への下りはすぐ林道に出て、これが案外長いです。参加者8名。
 
11月5日(火)日光 鳴虫山(1104m)晴れ
東武日光駅に集合して、すぐに歩き出します。市街地を抜け、志渡淵川に架かる橋を渡った町はづれに登山口があります。ジグザグの坂道を登り天王山神社を過ぎると、木の根っこが露出した歩きにくい道になり、やがて神ノ主山です。このあたりから、日光市街の後方に男体山、女峰山が秋の色に彩られた美しい姿を見せ始めます。鳴虫山までは雑木の中の楽しい尾根歩き。晴れてはいても寒い日でときおり風花が飛んできました。下りは独標を経て盛りの紅葉を楽しみながら含満淵へ。駅とは反対方向へを歩いて、まだ新しい町営の立ち寄り温泉で汗を流しました。駅までタクシーで。参加者13名。(写真は秋の実と女峰山)

12月14日(土)筑波山(876m)晴れ
関東平野の東に優美な姿を見せている筑波山に登ることにしました。数年前から百名山の完登を目指していた元気会のメンバーK氏が最後の山にと残していたのがこの山で、それではみんなで一緒に登り、忘年会とお祝いの会を兼ねて盛り上がろうという話になったのです。数日前に例年より早い初雪が降り、山の状態が懸念されました。案の定、つつじが丘からの登山路には雪が残り、頂上へ近づくにつれて日陰は凍結していて油断のできない登行となりました。山頂では仲間の持ち上げたワインでお祝いの乾杯! 筑波神社に下り、青木屋ホテルで入浴し、ここまで出向いてくれた二人の仲間と合流。つくばセンターでの忘年会は20名の盛況となりました。登山したのはK氏の夫人や高校の仲間を加え18名。
(写真は筑波山頂での記念撮影)

写真提供 吉村ほか
文責   大窪